むらた課長のマネジメント実践塾&公務員ドラマ「伴沢直稀」

40代でヘッドハンティングされた元公務員が、異色のキャリアでマネジメントを語ります。ライトノベルにも挑戦!

婚姻・離婚届のオンライン化は「百害あって一利なし!」

 

 

 

 

 

 

 記事によると、「すでにオンライン化は可能であるが、実際に運用している自治体は1つもない」ということです。

 現場の判断としては運用に耐えられないということでしょう。

 なぜ、運用が難しいか、説明していきます。

 

本人確認は?

 婚姻・離婚届は本人確認必須です。なりすましの届出を防ぐためです。

 本人確認がなければ、だれでも石原さとみと結婚できることになります。

 

 オンライン届出でネックになるのが本人確認です。

 「運転免許証を添付ファイルで送ればいい」と思う方もいるかもしれませんが、カンタンにカラーコピーでなりすましができてしまうので認められません。

 電子証明書を添付して申請することになります。

 電子証明書を取得するにはマイナンバーカードか、または別の手続きで電子証明書を生成する必要があり、めちゃくちゃ面倒です。結婚しようとする二人がマイナンバーカードを持っている場合以外は、市役所行って紙で出した方が間違いなく早いですね。

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婚姻届って正しく書ける?

 正直に言って、自力で正しく書ける人は少ないです。見本を見ながら書いてもなかなか書けません。

 たとえば、むらた慎太郎と石原さとみ(仮名)が結婚することになり、名前を選ぶ欄で、「名前が変わるからさとみちゃんにチェックだね」と妻の氏の方にチェックを入れたとします。

 すると、その婚姻届を出した瞬間に、『石原慎太郎」になってしまうのです!

 

 他にも、婚姻する二人の両親の名前を書く欄があるのですが、両親が離婚してしばらく会っていないうちに母親が結婚して名字が変わっていた

ということや、

 婚姻後の新しい戸籍の本籍地が地番があるところ、となっているが、実際には存在しない番地を記載して届出してしまって婚姻届が受理されない、

 ということもあります。

 

 そういうことを避けるため、婚姻届を受理する場合は簡易的な審査が終わるまで待ってもらい、その場で補正してもらって正式に受理することがほとんどです。

 

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離婚届はもっと複雑!

 離婚の場合、戸籍と筆頭でない者(つまり結婚したときに名字が変わった方)は、「新しい戸籍をつくる」か、「元の戸籍に戻る」かを選択できるのですが、おそらく職員の説明を聞いてからでないと正しく選択できないと思います。(複雑すぎてこのブログが長くなりすぎるため説明は割愛します)

 また、婚姻中の氏を引き続き名乗ることができる「戸籍法第77条の2」という届出があるのですが、初めて離婚する人はほとんど知らないと思います。(これを出さないと、離婚届を出した瞬間に婚姻する前の名字に戻ります)

 さらに、子どもの親権や、子どもの戸籍を移す届出のことや・・・あまりに複雑すぎるので、オンライン届出に離婚はなじまないと思います。

 

戸籍の添付は?

婚姻・離婚届を出す場合、戸籍証明書の添付を求められます。戸籍は市町村管理なので、他の市町村の戸籍を見ることができないからです。(なので、自分の本籍地に出す場合は添付する必要がない)

オンラインの場合、PDFにして添付する、になるのでしょうか?

悪用ができそうなので、なかなか怖いですね。

 

外国人との婚姻はもっと複雑で、日本の法律と相手国の法律が両方とも適用されます。

添付書類もたくさん必要で、とてもオンラインではできません。

 

やっぱり婚姻・離婚は市町村窓口で

一生にそう何度もない結婚や離婚ですから、誤りのないように戸籍事務に詳しい職員さんにしっかり説明してもらった上で出すようにしましょう。

 

参考:戸籍手続オンラインシステム構築の標準仕様書

(500ページ超の仕様書です。興味のある方はどうぞ)

http://www.moj.go.jp/content/000103919.pdf

 

 

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