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ブログランキング1位獲得!【公務員ドラマ・伴沢直稀】&異色のキャリアでマネジメントを語ります

第3話 75歳の父親⑦「出国」【公務員ドラマ 伴沢直稀~俺たち就職氷河期入庁組~】

 初めての方は第1話①からお読みください

  市民相談室から住民課まで案内し、水田の戸籍の附票を渡した。

 

「これは大変だな」

40才以上離れた兄弟間の相続。どんな感じだろうか・・・。

全く想像できない。

 

須川に呼び出される前に取ってきた戸籍をもう一度チェックしてみる。

 

筆跡は酷似。出生届は本人確認がいらないから誰が届け出たかわからないが、書いているのは同一人物だろう。

 

そして、出生証明書欄。すべて英語か?筆記体で良く読めないが、証明している医師も同一人物だ。おそらくフィリピンの医師だろう。

 

そして、翻訳がついているのだが・・・翻訳者がすべて同じ。

 

「牧・・・。」

 

 

 

 

数日後。

 

住所異動担当から声をかけられた。

 

「伴沢係長ですか?この注意書き」

 

住基に登録しておいたアラートが作動した。例の2歳児の関係者が窓口に来たら分かるようにと。

 

「何をしに来てる?」

「国外転出です」

「国外?誰が?」

「まりという2才の子ですけど」

窓口を見渡すが、2歳児の姿はない。

「子どもは来てないのか。両親は?」

代理人が来てます。」

代理人?もしかして・・・」

 

手に持っている書類を見ると、代理人欄に「牧」の文字。

先日見た戸籍の届出と筆跡が似ている。

 

やはりそうか。

 

牧がフィリピン人相手にブローカーのようなことをしているのに違いない。

 

ロビーの奥に座っている。

 

・・・しかし、どう声をかけよう?

 

牧は見られていることに気が付かず、スマホを見ている。

 

伴沢が少し迷っていると、牧のところに二人の男が。

 

「あ!」

 

あの作業着は警察だ!

 

「牧さんですね。任意同行願います」

 

って言ってるんじゃないか?遠くて会話は分からないが。

 

二言三言話したかと思うと牧は二人の男に連れられて行ってしまった・・・。

 

「係長~。この出国手続きどうするんですか・・・?」

 

 

 

 

翌朝。

 

売読新聞の地方欄の小さな記事。

『架空の出生届で児童手当を不正受給』

 

・・・まりのことか分からないが、数年前からフィリピン人の医師と共謀して架空の出生届を出した、ということらしい。

 

 牧の他に戸籍を提供した数名が逮捕。水田も捕まったのかな・・・。

 

 「係長!課長、しばらく休むって。なんかあったんですか?」

美香が不思議そうに声をかけてきた。

 

伴沢は新聞記事を美香に見せる。

 

「数年前っていうと江口課長が児童課長の時だな。」

 

(第3話、おわり)

 

 

 

 

(つづく)

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