むらた部長のマネジメント実践塾&公務員ドラマ「伴沢直稀」

ブログランキング1位獲得!【公務員ドラマ・伴沢直稀】&異色のキャリアでマネジメントを語ります

第2話 天赦日(てんしゃにち)に消えた婚姻届⑪「喫茶ぽんぽこ」【公務員ドラマ 伴沢直稀~俺たち就職氷河期入庁組~】

 初めての方は第1話①からお読みください

 

 

警察の 質問は主に二つ。

一つは夜間窓口の体制のこと。

そしてもう一つは・・・婚姻届を返却したいきさつ。

 

特に隠す必要もない。ありのままに話をした。

 

警察からの質問が終わったところで、内田悠太の住民票と戸籍の公用請求を受けた。

優子にはちょっと申し訳ないが、これは断れない。

 

・・・警察は妻子がいることを把握しているのだろうか。

そんなことを考えながら発行する。

 

30分程で二人の警察官は帰った。

 

「残業代、ちゃんと出ますよね?」

警察が帰ったあとの小澤の第一声。

 

「さー、俺は知らないよ」

「えー、だって係長が『残れ』って・・・」

 

「言ってないよな?」

残れとは言ってないはず。

 

「・・・帰ります」

 

 

 

帰り道。

警察はどこまで把握している?

もう伴沢の力では止められない、と感じた。

仕方がないことだが・・・。

 

 

伴沢が歩いていると、着信。

美香からだ。

「係長?返事ありました!」

「で、どう?」

「駅前の喫茶店で待ち合わせです!」

「わかった、すぐ行く」

 

 

 

 

ついに、内田にご対面だ。

急ぐ必要もないのだが、つい早歩きになってしまう。

 

喫茶『ぽんぽこ山』に到着。

存在は知っていたが、入ったことはない。古びた喫茶店

個人経営なのだろう。70代と思しき老夫婦が『いらっしゃい』と声をかけてくる。

 

「ホット」

 

「お兄ちゃん、見ない顔だね。うちはこだわってるから豆の種類でオーダーしてくれないかな」

(・・・それどころではないのだが・・・)

と、メニューを見せられる。

キリマンジャロ。ブルーマウンテン。

定番のものもあれば

 

『ぽんぽこブレンド

 

というオリジナルコーヒーがおススメらしい。

「じゃあ、ぽんぽこブレンドで」

「おっと、悪いが豆を切らしてしまってな・・・。普通のブレンドでいいか?」

・・・最初からそうしてくれ。

 

「はい、おまたせ、普通のブレンドコーヒー」

・・・わざわざ『普通の』というところに普通じゃないなにかを感じる。

 

内田も美香も遅いな・・・。

コーヒーには口を付けずに待っている。

 

そわそわしながら待っていると・・・。

 

 

美香が来た。

 

「あー、おじさん!ぽんぽこ一つね~!!」

「あいよー。美香ちゃんのためにとっておいたから!」

常連?

とっておいた?

 

「係長、おまたせ」

いつもと口調がライトになっている。

「美香さん、ここはよく来るの?」

「父とここのマスターが親友で、よくここに連れてきてもらったの」

意外なつながりがあるものだ。・・・そして、なぜかタメ口になっている・・・。

 

「ホントに来るかな・・・優子さんの旦那さん」

「返事ってどんな感じ?」

「うーん、一言で言うと、チャラい、かな」

「チャラい?」

と、LINEの画面を見せてもらったが、スタンプと絵文字ばかり。

 

「ね、チャラいでしょ?」

「こういうのが好きなんじゃないの?女の子って」

「さすがにキモイかな・・・、仕事じゃなかったら即ブロなんだけど」

LINEは家族としかしていない伴沢。そのあたりの事情には全く疎い。

 

と言っている間にぽんぽこブレンドの香ばしい香りが近づいてくる。

「美香ちゃん。この兄ちゃんと知り合いかね?」

「この人は上司だよ」

「そうかそうか、それは失礼した。うちの美香がお世話になってますなぁ」

「あ、どうも」

 

美香の前にぽんぽこブレンドが到着する。

 

「普通のブレンドとぽんぽこブレンドはどう違うんですか?」

「ほぉっほぉっ、それは企業秘密じゃ!」

「・・・企業秘密・・・」

コーヒーはやはり深いな・・・と感心している伴沢だが・・・。

 

「(入れ物が違うだけだよ、係長)」

美香が小声で教えてくれる・・・。

よくみると、美香のコーヒーはたぬきの絵のかいてあるカップに入っている。

・・・さっき、『豆が違う』って言っていたような?

 

 

 

 

その時!

「オレは関係ないって言ってるだろ!」

店の外から大声が聞こえてきた。

 

外をみると『アルプス商事』の作業服!

さっきの警察官!!

もう一人のガタイのイイ方もいる。

 

そして、

 

・・・別のガタイのイイ男が一人。

 

「あ!優子さんの旦那さん!!」

 

・・・あれが・・・内田か!

 

(つづく)

 

f:id:muratashikigaku:20201120214057j:plain

 

 

 ※ 感想おまちしています

※ ランキングへの投票お願いします

 

 

 

murata.xyz