マイナンバーカードって聞いたことはあるけど、一体どんなカード?
臨時定額給付金(10万円)が支給されることになり、マイナンバー制度開始以来の注目を浴びる「マイナンバーカード」
マイナンバーカードのことは、実はあまりよく知られていません。
多くの公務員も知らないマイナンバーカードの本当の秘密を、元マイナンバーカード担当(マイナンバー検定1級取得者)が教えます。
対面とオンラインの身分証明がセットになったカード
こんな説明の仕方をするのは私くらいですが、要するに「写真付きの身分証明書」に「インターネット上の身分証明書」がセットになったカードだと理解してください。
あれ?マイナンバーは?
マイナンバーは裏面に記載されていますが、「マイナンバーとマイナンバーカードは別物」と理解した方がよいです。
カードの表面には
顔写真
氏名
住所
生年月日
性別
有効期限
発行者(市町村長)
が、記載されています。
また、裏面には
氏名とマイナンバーが記載されています。
マイナンバーを使う場面(税金や社会保障の手続き)では、両面を使って本人確認し、それ以外(例えばレンタルビデオの会員登録)では表面だけを使って本人確認することができます。
インターネット上の本人確認とは?
通常は、インターネット上の手続きで使う「利用者証明用電子証明書」と「署名用電子証明書」という2種類の電子証明書が格納されています。(どちらも5回目の誕生日までが有効です。)
例えば、「マイナンバーカードを使ってコンビニで住民票が取得できます」というサービスがあります。
これは、コンビニのコピー機にマイナンバーカードをかざして暗証番号を入力するのですが、「カードを持っている本人です」という利用者証明用電子証明書を使った本人確認を行っていることになっています。
また、e-taxと呼ばれるオンラインでの確定申告手続きでは、署名用電子証明書を使って、「確定申告をしているのは本人です」という証明に使っています。
「住所・氏名・生年月日・性別」という4つの情報が、利用者証明用電子証明書には含まれておらず、署名用電子証明書には含まれています。
キケン!マイナンバーカードが失効してしまう条件とは?
マイナンバーカードは、有効期限内であっても失効してしまう条件があります。
・転出転入後、一定期間内に「継続利用」の手続きをしなかったとき
また、署名用電子証明書が失効する条件としては、
・住所、氏名、生年月日、性別に変更があったとき
署名用電子証明書は無料(※)で再発行できますが、カード自体が失効してしまうと再発行は有料(1,000円)です。
(※署名用電子証明書の再発行無料は特例措置で、将来にわたって無料とは限りません)
署名用電子証明書は印鑑証明と同等
署名用電子証明書は、商取引などで活用することを前提に制度化されているため、法的効果として印鑑証明と同等(つまり、署名用電子証明書を使った契約は有効)とされています。
将来的に悪用が心配です。
5,000円分のポイントがもらえるマイナポイントとは
マイナンバーカードを使ってキャッシュレスでチャージまたはお買い物をすると、マイナポイント25%(上限5,000円分)がもらえるというサービスが始まる予定です。事前にマイナンバーカードに設定が必要で、すでに予約が始まっています。
https://mynumbercard.point.soumu.go.jp/
10万円をGETするのにマイナンバーカードは要りません
現在、マイナンバーカード申請から2か月以上はかかると言われています。
マイナンバーカードをめぐる主なトラブル
1.転入後に継続利用を忘れて失効
原則、転入から90日以内に継続利用をしなければ失効します。(その他失効するパターンあり)また、継続利用をしないまま再度転出すると、その時点で失効します。この場合の再発行は有料になるため、トラブルが多いのです。
2.署名用電子証明書の有効期限切れ
電子証明書は5回目の誕生日が有効期限なので、初期にマイナンバーカードを取得した人は、今回の10万円の申請前に失効していることがあります
3.転居時の署名用電子証明書取得漏れ
署名用電子証明書の主な利用方法はe-taxぐらいでしたので、署名用電子証明書の再発行の手続きがややこしいこともあって、オンラインで確定申告しない人の多くが署名用電子証明書の再発行をしていないと予測されます。
4.暗証番号忘れ
暗証番号を忘れてしまうと、署名用電子証明書は5回連続、利用者証明用電子証明書は3回連続でロックアウトします。市町村の窓口に行かないとロック解除ができません。
通知カードは制度廃止へ
余談になりますが、通知カードは2020年5月末をもって制度がなくなります。1.通知カードの再発行と、2.裏面の住所等の記載、がなくなります。
https://japan.cnet.com/article/35153507/
今後、マイナンバーを使う手続きでは、マイナンバーカードか「マイナンバー記載の住民票」のどちらかで手続きすることになります。
主なマイナンバーを使う手続き
・就職、転職
・出生(児童手当など)
・保育園の入所
・年金申請 など
マイナンバーカードは得なのか?
具体的にメリットがありそうなのは、マイナポイント。
2万円のお買い物で5千円分のポイントがもらえますが、今の予定では2020年9月から2021年3月までの期間で行われるため、2020年末までには遅くても申請しておきたいところです。
現在、10万円をもらうためにはマイナンバーカードが要ると誤解した人が多数押し掛け、役所は三蜜状態ですので、もう少し落ち着くまでは待っていてもよさそうです。
マイナンバーカードに暗証番号のメモは挟まない
マイナンバーカードを作ること自体で個人情報は流出しません。しかし、暗証番号を忘れてしまうからと、暗証番号を書いたメモをセットにしている方は絶対にやめた方がよいでしょう。オンラインでがっつり悪用される危険があります。
マイナンバーカードの将来性
マイナンバーカードはオンラインの商取引や、キャッシュレス機能として利用されることが見込まれています。コロナウイルスによりリモートワークが一気に進みましたが、さらにリモート化を後押しするカードになるでしょう。
また、キャッシュカードやクレジットカードを何枚も持つことなく、多機能カードとしての活用が期待されます。(ただし、無くしたときのリスクは計り知れませんが・・・)
有効期限がありますので焦って作る必要はないと思いますが、今後も、「あってよかったマイナンバーカード」という場面があるかもしれませんね。