裏話満載公務員ドラマ「伴沢直稀」
「これは大変だな」 40才以上離れた兄弟間の相続。どんな感じだろうか・・・。 全く想像できない。
さすがに自殺者が連続発生した翌年に人事が重い腰を上げ、わざわざ閑職の部長ポストを作った。 そこからの被害を最小限に食い止めた・・・
伴沢は、もう一つ奇妙な共通点を見つける。 (ほとんど全部同じ住所を経由してるな・・・)
2歳児のことが頭から離れない伴沢。そして、前日の児童課の件で江口に呼ばれる。すると・・・
警戒するに越したことはないだろう。万が一、「役所が児童手当の不正受給を見逃していた」なんてことになれば、タダでは済まない。
「うーん、どういうことだ?」 75歳の男が離婚して子どもを引き取って育てる?なかなか想像し難い。 しかもあのじいさんだ。
カウンターの向こうでは70は超えていそうな男が何か喚き散らしている。 活舌が悪く聞き取れないが、「早くしろ」と言いたいらしい。 生活感あふれるヨレヨレのシャツ。 無精髭。清潔感はない。 少し背中は曲がっているが、とにかく力が余っているという感じ。…
「離せ!!」 アルプス商事が腕を掴もうとしたのを振り払った勢いで、もう一人のガタイがイイ警察官の顔面を・・・
警察の 質問は主に二つ。 一つは夜間窓口の体制のこと。 そしてもう一つは・・・婚姻届を返却したいきさつ。
翌朝。 伴沢は美香から教えてもらった内田悠太の番号にかけた。 内田悠太に接触するのは心配もある。 もし、婚姻届を回収した本人でなかったら・・・。 状況的には彼が犯人に間違いなさそうだが・・・確証はない。
「係長、ちょっと」 美香が険しい顔をしている。 「どうしても伝えたいことがあって・・・」 周りに人がいては話しにくい、ということだろう。 ちょっと探しもの、と言って倉庫に移動した。
翌日。 仲が良くても顔を見たくないタイミングというものがある。 そして、そういうタイミングに限って、その相手が現れる。 「伴沢君、元気?」
「内田悠太」で検索。 数秒後。 内田の住基を開いた伴沢は愕然とした。 「内田優子・・・?」
声の主は田中だ。 さすが趣味が地下アイドルの男だ。丸井を見た瞬間に田中の方から声をかけてきた。 鼻の下が伸び切っている。同期で一番の堅物の面影は・・・そこにはない。
「女の子の方は、はしゃいでいたが、男の方はあまりしゃべらなかったな。まあ、無口なのかもしれないが」 「(やっぱり詐欺なのか・・・)他には?」 「1回目と2回目で、車が違った」 「車が違う?」
「実は・・・、彼と連絡が取れないんです」 「え?」 伴沢は絶句した。どんな罵声を浴びせられるかと覚悟してダイヤルしたのだが。 「電話にも出ないし、LINEの既読もつかないんです」 「・・・いつからですか?」
八木はすごくばつの悪そうな顔で言った。 「2時間ぐらいした後に、男だけまた来て・・・」 「また来た???」 「『書き直したいところがある』というから、預かった婚姻届を
翌日。 伴沢のところに『内田』と名乗る女から電話が入る。 「見つかりましたか?」 伴沢は一瞬戸惑ったが、電話の主が昨日の女だと分かる。 『内田』は婚姻後の氏。女の言う通り婚姻届が出ていれば、確かに『内田』になっているはずだが・・・。
「天赦日は、最上の吉日とされ1年に5~6日しかありません。百神が天に昇り、天が万物の罪を赦す日として、大大大大だ~い吉日!なんだって!!」 間もなく日付が変わろうとする深夜。麻沙美は大はしゃぎであった。
「江口課長、サイテーです」 丸井はハッキリ言う。今の若い女の子は怖いな・・・伴沢は心の中で苦笑いしていた。 「市長の意向だから、なんとかしてくれないか」
田中は仕事では堅物だが、実はアイドル好き。週末は地下アイドルに会いに行くのが趣味のアラフォー男子。もちろん独身。
「係長、たいへんなことになってるみたいですね。」 市川が伴沢に声をかける。心なしか楽しげだ。
その日の夜。 繁華街の路地にある小さなスナックに初老の男が現れた。
課長にケーキの報告をするのが先か、秘書課への折り返しが先か迷った伴沢であったが・・・
「ド派手なオバちゃんが来たと思ったら大声で『市長呼べ』って騒ぎだして。ヤバそうだったけどたまたま市長が戻ってきて『あら、市長さん、お元気?』だって」
「ちょっとアンタ!謝りなさいよ!!」 市役所館内に響く甲高い声の主は40代後半と思しき美魔女。
「毎日、美香さん目当てに住民票を取りに来る若い人がいるんですけど。」